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2015年8月

夜明け前の名称と臨海地域

日の出を観たことのある人なら知ってのとおり、夜明け前、つまり太陽が昇るまでの間も、実はかなり前から明るい。なので、日の出待ちの間は薄暗くて準備が大変、ということはない。
この、陽が出る前の明るい状態を「薄明」といい、明るさで3段階にわかれている。

天文薄明 Astronomical twilight
星の大部分が見える明るさ
航海薄明 Naval twilight
海面と空との境が見分けられる程度の明るさ
市民薄明 Civil twilight
明りがなくとも日常動作ができる程度の明るさ

それぞれの長さは約30分。ぼくはだいたい、日の出一時間前までの「航海薄明」の間に現場に到着し、ロケハンしたり三脚建てたりして日の出を待つ。夜空の下からだんだん光がのぼってきて、その日の気象状況によってさまざまなグラデーションをみせる。その言葉にならない美しさは、日の出前のもう一つのお楽しみだ。

さて、併記した英語が示す通り、薄明の分け方はもともと外来語だが、日本にもあけ方を示す古来からの言葉がいくつかある。 たとえば、曙(あけぼの)、東雲(しののめ)、有明(ありあけ)、暁(あかつき)など。 面白いことにこの4つの言葉は、東京都江東区の埋め立て地に並んでいる。すなわち、東側からあけぼの運河、東雲(駅および地区)、有明(駅および地区)、暁ふ頭公園である。

それで、この言葉のニュアンスの違いだが、NHKさんの解説に従うと、

暁(あかつき)
夜半過ぎから夜明け近くまでの時間

東雲(しののめ)
「暁」の終わりで、東の空がほのかに明るくなる頃

曙(あけぼの)
「日の出」の一歩手前

という時系列になるようだ。ここに、

有明(ありあけ)
 (1)月が空に残りながら夜が明けること。(2)広く、夜明けをいう。明け方

という、広範囲な「夜明け」を東雲付近に配置すると、あら不思議、地図上の順序にマッチする。

きちんと考えられて地名がつけられたのか偶然なのかわからないけれど、埋立地一帯の土地勘があれば、夜明けを指す古語のニュアンスの違いが把握しやすいっていう、ちょっとした発見だ。

参考)NHK テストの花道 - 過去の放送 -「日本語をおいしく読む 第2弾」

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